やさしい心理学用語解説
催眠療法(ヒプノセラピー)
【 催眠状態 】
催眠状態は、実は「特殊な心理状態」という訳ではありません。
どなたでも、一日のうちに何度も「催眠状態」に入ったり、出たりを繰り返しています。
人間の意識は、顕在意識と潜在意識に分かれていると言われています。
顕在意識は私たちが通常自覚できる意識のことで、意図的な思考・行動を司る領域です。
一方、潜在意識は、自覚できない意識のことで、顕在意識の9倍とも言われる領域を占め、実は顕在意識よりも強い力をもっています。
「思わず~してしまった」、「気がつくと~していた」、「何故か~と感じた」というような行動や情動反応は、潜在意識のなせる技と言えるでしょう。
催眠状態とは、この顕在意識と潜在意識の両方がリンクした状態を指します。
したがって、顕在意識が完全に休んでしまっているわけではありません。
顕在意識も、そのバランスが低くはなっていますが、活動しています。
顕在意識は日常生活で物事を判断するときにいつも使っている意識ですから、催眠状態に入ってもいわゆる『意識』は、ずっとありますし、意思も判断力もあります。
ですから、催眠状態でも、意識を失ってしまったり、やりたくないことをやらされてしまったり、言いたくないことを言ってしまったり・・・、というようなことは決してありませんので、どうかご安心ください。
トイレに行きたくなれば、行くことができますし、ハナをかみたくなれば、かむことができます。
セラピーの途中でも、疑問や気になることがあれば、セラピストに質問することもできます。
催眠状態のことを、心理学では、変性意識状態またはトランス(trance)状態と呼んでいます。実は、私たちは1日に何回も、自然とこの状態になっていると言われています。
例えば、テレビのドラマやスポーツ中継などを見ている時、あなたは観客の一人であることも忘れて、まるでそのドラマやゲームで主役を演じているような気分になることがあると思います。
催眠状態というのは、そのような深い熱中や集中の結果生じた意識状態であって、「人工的な眠り」というような、特殊なものではありません。
読書をしていて、気がついたら何時間も時間が経っていて驚いた、などという時も、催眠状態になっていたということです。
芸術活動や創造活動に集中している時なども、一種の催眠状態なのです。
眠りにつく直前や、眠りから覚めた直後のいわゆる「夢うつつ」の時も、催眠状態です。
催眠状態では、心理的には、心の緊張がほぐれ、不必要な抵抗がなくなり、普段よりも自分の内面に意識が集中しています。
心理学的には、これを「選択的な注意集中」と呼びますが、催眠状態では意識はこのような状態になっています。
そして、潜在意識の奥底に押し込めていた記憶や感情を思い出しやすくなります。
また、肯定的な暗示を受け入れやすい状態になっています。
ですから、セラピストの適切な催眠誘導により、潜在意識の中から、今現在のあなたにとって最も必要で有効な記憶や感情が思い出され、浮かび上がってくるのです。
生理的には、深いリラクセーション効果があるので、交感神経と副交感神経のバランスが整い、自律神経系の調整機能や自己免疫機能を正常化する作用があると言われています。
【 潜在意識 】
【 催眠療法(ヒプノセラピー) 】
催眠状態を利用して行う心理療法が、催眠療法(ヒプノセラピー)です。
つまり、催眠療法(ヒプノセラピー)とは、通常の意識(顕在意識)も保ちながら、セラピストの催眠誘導によって、心と身体を深いリラックス状態に導き、普段は閉ざされている潜在意識への入り口を開いて、潜在意識へのアクセスを可能にしていく心理療法です。
潜在意識に直接働きかけるカウンセリング技法というのが、一番イメージしやすいかもしれません。
セラピストは、催眠療法(ヒプノセラピー)を用いて、あなたの潜在意識の中にどのような記憶があり、それがどのように作用しているのかを、あなた自身が認識していくためのお手伝いをします。
そして、それを知るだけでなく、さまざまな心理療法の手法で、問題(悩み)の原因となっていることの改善を図り、解消したり、軽減させていきます。
その結果、あなたは、潜在意識からのメッセージによって、多くの気づきと癒しを得て、新たな視点で現在のあなたを振り返り、本来のあなたの能力や自信を取り戻すことができます。
本当にやりたいことや、本当に自分が進みたい道が何かを探り、そしてそれをあなたの顕在意識が納得する(腑に落ちる)ことで、自分自身の力で問題(悩み)を手放したり、本来の道に足を踏み出したりすることができるようになるのです。
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